vol.1
ウサギの飼い方
ウサギってどんな動物?
種類はどのくらいありますか?
私たちが目にするウサギには随分多くの種類があります。
ウサギといえば白い毛に赤い眼と思われがちですが、眼や毛の色だけでなく、大きい小さい、耳が立っていたり垂れていたり、そして色柄も様々で、見ているだけで私たちを楽しく幸せにしてくれる優しい動物です。皆さんによく知られているのはピーターラビットですが、これはイギリスの有名な作家であるビアトリクス・ポターが著した有名な絵本の主人公の名前で、本来はネザーランド・ドワーフという種類のウサギです。この種類は小柄で耳が小さくてとてもかわいいですが、少しばかりおてんばかもしれません。
また、耳が垂れていて愛らしいロップ・イヤーは、どちらかといえばのんびり屋さんで、その風貌とのんびりした動きで人気があります。
アンゴラは、長くふさふさした毛が特徴ですが、レッキスは短いけれどもビードロのような手触りをもつ毛に覆われているのが特徴です。
これらを初めとしてウサギには多くの種類があり、現在は150種類程に分類されますが、現在私たちが愛玩用として飼育しているウサギは、11世紀頃からヨーロッパアナウサギという1種類のウサギを改良して作り出されたものなのです。ウサギの種類によってそれぞれの特徴をもっていますが、同じ種類でも犬や猫と同様に一匹ずつ個性がありますから、同じ種類でも少しずつ性格は異なることを知っておいて下さい。
アナウサギ以外にも、普段お目にかかれない珍しい種類のウサギがいます。絶滅が心配されているアマミノクロウサギはその代表的なウサギですが、愛玩動物用とは異なる別の属のウサギに分類されています。
ウサギはなつきますか?
ウサギは、本来とても優しい生き物ですから、大切に飼うほど人に良くなつきます。どんな動物を飼う時もそうですが、草食獣であるウサギには、くれぐれも荒っぽい扱いをしない様に心掛ける必要があるでしょう。
ウサギが触れられて喜ぶ場所は額(おでこ)や耳の後ろ、背中などで、慈しみの心を込めて優しく撫でれば、嬉しそうに目を閉じてじっとしています。撫でてほしい時は、自分から顔をすり寄せるようになります。何かを要求するときは、飼い主の足の回りをくるくる回って、二本脚で立ったりします。強く催促したいときは、服を噛んで引っ張ることもあります。
人との生活環境に慣れると仰向けに寝ることもありますが、お腹をなぜられるのは必ずしも好きではありませんので、嫌がるときは無理に触らない方が良いでしょう。中にはいたずらで、飛び跳ねるのが得意なウサギもいますが、年齢と共にウサギも落ち着いてくる事が多いので、どうか長い目で見てあげてください。
ウサギも鳴くでしょうか?
怒るのでしょうか?
ウサギの鳴き声をお聞きになったことのある方の方が少ないと思います。彼らは声を出すことが殆どありません。興奮したときや怒りを示すときに、時々低い音で「ブーブー」と鼻を鳴らすことがあっても、飼っていても鳴き声を一度も聞いたことがない方が居られるほどウサギは声を出しません。
とてもこわいと感じた時や、特別に身の危険を感じたときには、甲高い声で「キーキー」という声を出すことがありますが、とても希です。ですから、ウサギファンの方にはマンションなどの集合住宅で飼っておられる方も多く、都心でも飼育可能な動物の一つです。
ウサギは時に両後肢で床を蹴る動作をします。これでわざと大きな音を立てて、相手を威嚇します。この動作をスタンピングと呼び、これを繰り返すときはウサギが怒っていると考えて下さい。その原因となるストレス要因を探してあげましょう。
このほか、もしも呼吸の度に奇妙な音が聞こえてきたら、呼吸器の病気の場合がありますので気をつけてあげてください。
ウサギは喧嘩をしますか?
動物の場合、人でもそうかもしれませんが、メス同士のウサギはやはり穏やかです。でも、一見穏やかなウサギでも、雄同士となると話が違うことがあります。
生後3〜4か月頃までは仲がよいのですが、この頃を過ぎると彼らも大人の仲間入り。なわばりを争って喧嘩します。オスは子孫繁栄のためにメスを巡って争いを始めることがあります。
ウサギの性別の判定は、外部生殖器(股間の排泄部分)で判断しますが、生後間もない頃ではちゃんと見てあげないと間違えてしまうことがあるので、性別の鑑定は注意してください。中には、お店でペアーとして買ってきたのに、大人になって取っ組み合いの大喧嘩なんてことになって初めてオス同士だったことが判明した気の毒なお話もあります。よく見てから飼うようにしましょう。
同じ小屋で2匹以上のオスを飼育するときは、十分な広さを与えてあげるか、去勢手術を考慮しましょう。
ウサギは家の中でも飼えますか?
ウサギは家の中でもちゃんと飼えます。声を出すことが殆どありませんから、声で近所迷惑になることはありません。ですから、マンションでの飼育などにも向いているようです。家の中では、サークル内で飼育するほか、自由に放し飼いも出来ます。ウサギは自分の居場所をしっかりと決めますので、トイレも部屋の隅など適切な場所においてあげると良いでしょう。
屋内飼育での注意点は、カーペットや壁紙を草や木と同じように食べられるものと勘違いして、かじってしまうことです。毛の他、ビニールや科学繊維などの溶けないものがお腹にたまると、腸閉塞などを引き起こすきっかけとなりますので、注意してあげる必要があります。
ウサギを飼うにふさわしい温度管理は?
ウサギが飼育可能な温度は、5〜30℃とされています。そして最適温度は16〜21℃とされていますが、人が過ごしやすい温度環境でしたら十分飼育可能です。春や秋の気温でしたら屋内でもへっちゃらです。
ウサギは寒さに対して多少とも順応できる動物といわれます。しかし、油断は禁物です。自然界では体温を維持するために、土の中の洞穴へと身を隠す事が出来ますが、家庭飼育ではそうはいきません。
5℃以下になると体調を崩すことがあるので、体温を保てるようにウサギが入れる大きさの木箱に、十分なワラあるいは牧草を用意してあげましょう。
また、梅雨や真夏の高温・多湿は、ウサギにとって注意すべき時期です。南向き、西向きのベランダ、あるいは部屋の中の場合、日中の気温は40℃を超えることがあり、マンション飼育では特にその傾向が強くなります。
暑さのストレスは、食欲不振や元気の低下で現れるだけでなく、一気に体温が上がる熱中症では、わずか1日から数日の経過で生命の危機に至る事もあります。