vol.22
パピーウォーカーってなに? 

1頭の盲導犬が活躍するまでには、たくさんの人の支援を得ています。
一番かわいくてやんちゃ盛りの子育てを担うのがパピーウォーカーです。


Q パピーウォーカーとは、どのようなものですか?
A パピーウォーカーとは盲導犬の候補犬である生後6〜8週の子犬を、1歳になるまでの約10ヶ月間、家庭で預かって育てるボランティアのことです。盲導犬にとってもっとも大切な人間に対する親しみや信頼性を持てるようになるために、一般の家庭で愛情いっぱいに育てられることが必要なのです。パピーウォーカーは各地の盲導犬の育成団体ごとに一般家庭の中から募集しています。
Q パピーウォーカーになれる条件は?
A 盲導犬の育成団体によって条件は多少異なりますが、おおよそ次のようなことが求められます。室内で犬を飼える家庭。誰かが家に居て子犬の世話ができる。1日に1時間くらいの散歩ができ、いろいろな環境での経験をさせられること。家族みんながパピーウォーカーをすることに同意している。育成団体の指導を守れること。このほか、幼い子供がいない、他のペットを飼っていないなど、それぞれの育成団体による条件もあります。いずれもケースバイケースで対応しますので、希望者はまず、近くの育成団体に問い合わせてみましょう。
Q 預かっている間にかかる経済的負担はどの程度ですか?
A 育成団体によって異なります。パピーウォーカーになるときに、かかる負担について具体的に説明がありますので、理解したうえで協力するといいでしょう。実際には備品などについても、様子を見て貸し出しするなど、なるべくパピーウォーカーの負担が軽減されるようつとめています。
Q 犬を飼ったことのある人でないとなれませんか?
A いいえ、一度も飼ったことがない人でもかまいません。むしろ、初めての方のほうが、育成団体の指導を忠実に守ってくださる場合が多いので、好ましいともいえます。犬を何度も飼っているという人は我流に陥ってしまう場合があります。いずれにしても何かわからないことがあれば、まめに質問をするなど、コミュニケーションをとっていればどちらでも問題はありません。
Q どんなしつけをしないといけませんか?
A 基本的に盲導犬としての訓練は育成団体が行うので、パピーウォーカー特別な訓練をする必要はありません。ただ、後で矯正しにくい遊びや習慣は、子犬のころからさせないようにしつけてもらいます。そのほか、指示語は英語を使う、散歩のときには引っ張らせないようにするなど、後の訓練にスムーズに移行するために、なるべくしたほうがいいしつけはあります。育成団体と相談しながら進めるので、心配はありません。
Q 将来、自分が預かった盲導犬に会えないんですか?
A はい、会えません。それは最初の契約の中に入っています。盲導犬として働くには、ユーザーとの信頼関係が何より大切です。もし、盲導犬とユーザーが一緒に街を歩いているときに、パピーウォーカーが声をかけると、混乱を招く可能性があります。特にユニットを組んで間もないころには、ユーザーは犬に信用されているかどうか不安なものです。犬にとっても一番信頼できるのがユーザーでなくてはいけません。子犬のころ可愛がってもらったパピーウォーカーのことは、決して忘れないだけに、気持ちがパピーウォーカーに戻ってはいけないので、会うことができないのです。
Q 預かり中に、盲導犬に適さないことがわかったら?
A 残念ながらその時点で、子犬を戻してもらいます。盲導犬候補として赤ちゃんのときに来る子犬たちは、選りすぐりの犬ばかりですが、成長の途中で身体的な欠陥がわかることもあります。病気やケガ、遺伝病などで適正がないとわかった場合は、パピーウォーキング中でも引き上げます。盲導犬は目が不自由な方の命にかかわる存在ですから、妥協はできません。何かひとつでも向かないものが見つかったら、別の生き方をすることになります。もともと素質のいい犬たちですから、アピール犬になったり、家庭に引き取られるなど、その犬に合った道を選択します。