vol.35

かゆいのにはわけがある?

 

皮膚と栄養について

  もうすぐ春がやってきますね。愛犬を連れてのアウトドアも楽しいものですし、お留守番になりがちな猫ちゃんにも日光浴のよい季節です。とはいえ、実はこの時期は、皮膚のトラブルが多発するころでもあるのです。「そういえば、ウチの子、なんかポリポリしているわ」とか、「抜け毛が異常に多いなぁ」など、気になることはありませんか?家族全員楽しい春を過ごすために、ここでちょっと皮膚と栄養について考えてみましょう!!

犬と猫の皮膚

 皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層よりできており、犬や猫のように被毛に覆われていない人間の表皮は厚くて丈夫にできていますが、犬の表皮は人の約1/5〜1/6の薄さであり、猫の表皮は犬よりもまたさらに薄くなっています。表皮の一番外側は角質層といわれ、徐々に成長した角質細胞は最後には剥がれ落ちていきます。これがいわゆるフケといわれるもので、通常は生理的なものです。
 表皮の下には真皮があり、ここには血管やリンパ管、神経、筋肉コラーゲンなどが存在し、被毛の基となる毛根も真皮から出ています。真皮はさまざまな栄養を供給する重要なネットワークの場であり、体の形状を維持する役割も持っています。
  そして、皮膚や被毛の形成には多くの栄養素がかかわっており、特定の栄養素の不足が皮膚の症状に関連しています。バランスのとれた栄養は健康な皮膚と被毛の維持には欠かせません。
 
皮膚病のコントロール
 皮膚病の原因は、外的要因(ノミや寄生虫)や内的要因(アトピーや全身性の病気など)さまざまなものが考えられます。なかには、調べても原因がよく分からなかったり、また、原因が分かってもその原因を除去できなかったり、することもあります。
  そのため、皮膚病の治療では、除去できる原因をまず取り除くほか、今出ている症状をいかにコントロールしていくかがとても大切になります。これは対症療法というものですが、その基本は、
@ 炎症を抑える薬を与える
A 免疫系に作用する薬を与える
B シャンプーで皮膚・被毛の状態を改善する
C 食事を見直して、体全体から皮膚病の改善に対処する
などになります。
不足する栄養素 関連する皮膚・被毛の症状
蛋白質・エネルギー 角化異常、被毛色素の脱失
必須脂肪酸 脱毛、被毛発育不全、フケ過剰
亜鉛 脱毛、皮膚炎、毛の成長遅延
被毛色素の脱失、光沢の消失
ビタミンA 脂漏性皮膚疾患、脂腺炎
ビタミンE 黒色表皮肥厚症、皮膚筋炎
 
皮膚病と食事の関係
 人でアトピーやアレルギー性疾患が増えているように、近年動物でもアトピーやアレルギーが多く見られています。
  アレルギーの症状には皮膚症状(かゆみ)や消化器症状(軟便、下痢)があります。これらの原因に食物アレルギーが疑われる場合には、今まで食べたことのない蛋白質を使用したフードに変えたり(ヒルズd/d)、アレルゲンとして認識されないほど小さい分子構造になっている蛋白質(加水分解蛋白質)を使用したフード(ヒルズz/d)を与えて、アレルギーの発症を避ける必要があります。
  また、オメガ3脂肪酸は炎症の抑制に役立つことが認められているため、オメガ3脂肪酸を多く含む食事(ヒルズd/d/、z/d)はアレルギーによる皮膚の炎症やかゆみの軽減に役立ちます。
 
 皮膚病は動物にとっても飼い主にとってもつらいものです。皮膚病のリスクを少なくするために日頃から皮膚を清潔に保ち、ノミやダニなどを常にコントロールしましょう。また、ヒトと同様、犬や猫にとっても食事は生活の基本です。
  質の良いフードで健康の維持に努め、先生から受けた食事指導をしっかり守り、犬や猫の状態に合わせた管理を心がけましょう。
 
★チェックリスト★
 
@
ひどいかゆみがあり、掻きむしっていることがある。
→Aへ
A
掻いたところが傷になったり、血が出たり、かさぶたになったりしている
→Aへ
B
一緒に暮らしていてる家族や他の動物もかゆがっている
→Bへ
C
虫のようなものが動物の体についていたり、床に落ちていたりする
→Bへ
D
かゆみや皮膚の異常のほかに、食欲や飲水量も変わった
→Cへ
E
かゆみや皮膚の異常のほかに、ウンチが柔らかくなった
→Dへ
F
最近食事を変えたら、かゆがるようになった
→Dへ
G
いつも決まった時期にかゆがる
→Eへ
 
A
皮膚病の典型的な症状で、さまざまな原因が考えられます
B
寄生虫(ノミ・ダニ・カイセン)などによる可能性があります
C
内分泌など全身性疾患が疑われます
D
食物アレルギーの可能性があります
E

ノミアレルギー、アトピーなどの可能性があります

*一つでも思い当たることがあったら早めに病院へ