vol.39




 
 


ズーノーシス” 聞き慣れない言葉ですがご存知の方も多いかもしれませんね。ズーノーシスとは動物から人に感染する病気の総称で、人獣共通感染症、人畜共通伝染病ともいいます。安易に見過ごしてしまうと恐ろしい病気も含まれています。ペットとの楽しい生活が台無しにならないように、オーナーとして守りたい事、気を付けたい事を、代表的なズーノーシスとともにまとめてみました。


  蚊が媒介するズーノシス
代表例 人・犬糸状虫症、マラリア日本脳炎、黄熱、デング熱、バンクロフト糸状虫症

フィラリアにかかっている犬の血を吸った蚊にさされた際子虫が侵入してしまうかもしれないのが人・犬糸状虫症です。非常にまれにしか見られない疾患なので、心配しすぎる事はありませんが、予防のためには地域ぐるみでの蚊の駆除や犬に対するフィラリア予防を徹底することが大切です。その他、特有の発作熱を反復するマラリアや、今日でも毎年発生が報告されている日本脳炎は有名ですね。日本脳炎は死亡率が35%に上る致死率の高い熱性疾患のため、日本国内に在住の場合、3歳〜中学3年までの間に計5回のワクチン接種が義務付けられています。南米・アフリカに分布する黄熱や、アジア亜熱帯地域で流行する特徴的な血液の異常を引き起こすデング熱なども、死に至る恐ろしい病気です。他にもリンパ系に異常をもたらすバンクロフト糸状虫症なども世界的に分布していますが、日本ではほぼ撲滅されています。
  マダニが媒介するズーノーシス
代表例  日本紅斑熱・Q熱・ライム病(ライムボレリア症)・野兎病(ツラレミア)・バベシア症など

日本国内に生息するマダニで人やイヌ・ネコに寄生して問題となるのは20種類程度だといわれています。マダニは人や動物の体液(血液)を吸って成長する過程で宿主を数回移動しますが、その際、いくつかの病原体が人や動物に媒介されることがあります。マダニほと支部の草むらに比較的普通に生息しているため、イヌやネコなどの動物に寄生が見られることはそれほど珍しいことではありません。しかし動物に寄生したマダニを取り除こうとして体液に触れたりすると、飼い主自身もマダニに寄生される可能性があり非常に危険です。マダニの予防には、まずマダニの生息する草むらには入らないようにすることが一番ですが、もし入る場合には、皮膚を露出せず、頭や顔、首をタオルやスカーフで巻くようにしましょう。また、マダニの生息する場所を歩いた後は、全身を良く観察して、マダニがついていないか、咬み傷がないか確認してください。マダニの咬み傷には痛みを伴わないことがあるので注意が必要です。
  ノミが媒介するズーノーシス
代表例  ノミ刺症、瓜実条虫症、ネコ引っ掻き病、ペストなど

ノミは、一般に宿主(寄生される動物)に対する特異性が低く、イヌ・ネコにはネコノミ、イヌノミ、ヒトノミのいずれもが寄生しますが、近年はネコノミの寄生が最も多くみられます。ノミは吸血する昆虫として有名ですが、実は吸血活動を行うのは成虫のみ。ノミが吸血する際に出す唾液には、ヒスタミンやタンパク質含まれていて、この唾液によって紅斑、膨疹、出欠や水疱などの激しい皮膚症状が引き起こされます。まれにアレルギー反応から蕁麻疹、心悸亢進、頻脈、呼吸困難、発熱等の症状が出る場合があるので要注意。ノミはイヌ条虫(瓜実条虫)の中間宿主でもありますのでノミの予防はイヌ条虫症の予防にもつながります。ノミの生態を十分に理解して予防に努めてください。また、ネコ引っ掻き病は悪性リンパ腫・癌腫の転移、トキソプラズマ症、結核などリンパ節が腫脹するほかの疾患と間違われやすいので、リンパ節が腫脹して医師の診断を受ける際には動物との接触を申し出るようにしてください。ペストは国内では1926年以降発生はありませんが、非常に死亡率の高い疾患で世界的には広く発生しています。

 快適ペットライフのために、守りたい5ヵ条
  1条  自分の箸や口移しで食べ物を与えない。 動物の口の中や唾液は清潔とはいえません。食事の時に箸で食べ物を与える事はやめましょう。
  2条  ペットと遊んだ後は必ず手を洗う
どんなに清潔にしていても病原菌や感染源を持っていないとは限りません。
  3条  お散歩帰りには必ず足を洗ってあげる 足裏やおなか、おしりまわりなども汚れを丁寧に拭き取り、必要に応じてブラッシングやシャンプーを。
  4条  獣医さんで定期健診・定期駆除
「ウチの子は大丈夫」なんて過信は禁物。定期的に獣医さんでチェックして貰いましょう。
 
5条
 ネズミやゴキブリを口にさせない
様々な疾患の元になる病原菌を保菌しています。