今月のお話 VOL,41

ネコの健康〜元気が無く歯茎が白い〜

■病原体感染が原因になりやすい貧血

貧血とは何らかの原因で赤血球が異常に減少してゆく病気です。動物の体を形成する組織や細胞は、生きている限りそれぞれ固有の周期で赤血球の寿命は入れ替わってゆきます。例えば胸骨、腸骨などの骨髄で作られる赤血球の寿命は約120日です。その間体内を循環して、体内の組織や細胞に、エネルギー代謝に必要な酸素を供給します。また不要な炭酸ガスを運び去ります。役目を終え寿命がきた赤血球は順番に脾臓やすい臓、骨髄などで壊されていきます。(これを溶血と言います)
しかし怪我や病気でたくさん失血したり、栄養不良などで充分な赤血球を造血できなかったり、日々造られる以上の赤血球が、何らかの要因で過剰に壊されたりすれば、必要な赤血球の数が減って貧血となり、体内の組織、細胞は酸素不足になって、衰弱していく事になります。
もし愛猫の食欲がじわじわと無くなり、じっとしていたり、ハアハアとあえぐように呼吸したり,血尿が出たりしたときに、念のため口の中を調べ、歯茎の色が白いようなら貧血の可能性があります。すぐにでもかかり付けの動物病院で診察を受けてください。
猫の貧血の要因で、特に目立つのは、「猫白血病ウイルス感染症」とヘ「へモバルトネラ症」です。その他、「子宮蓄膿症」や「猫伝染性腹膜炎」などによる二次的な貧血もあります。

あなたの愛猫も注意が必要!


■原因とメカニズム

ウイルス、微生物などの病原感染体が引き金となる事が多い

◆猫白血病ウイルス感染症の場合

猫白血病ウイルス(FeLV)は、感染した猫の唾液などを介してウイルス感染する。主に骨髄の造血機能に悪影響を及ぼし、赤血球や白血球、血小板などが減少します。
赤血球が減少すれば貧血を起こします。白血球が減少すれば体の免疫システムが壊れ、細菌感染細菌感染などを起こしやすくなり、命にかかわる事になります。血液の凝固作用を担う血小板が減少すれば、体の内外のどこかから出血すれば血が止まらなくなります。
血中に入った猫白血病ウイルスが赤血球のもとになる細胞「赤芽球」に取り付いて赤芽球を壊したり、あるいはこのウイルスが取り付いた赤血球が体の免疫システムによって退治されれば、やはり貧血となります。猫白血病ウイルスに感染、発症した場合約7割が貧血を起こすと言われています。その上子猫の時に感染、発症すれば死亡率は高く、また生き残った場合でもウイルス感染が生涯続く事が多くなります。体調不良や他の病気、ストレスや加齢によって体力免疫力が低下すれば、発症し、生命を蝕まれていきます。

◆ヘモバルトネラ症(猫伝染性貧血)の場合

ヘモバルトネラ症とは「ヘモバルトネラ・フェリス」という病原体(ウイルスと細菌の間の大きさの微生物、リケッチア)が猫に感染して、血管内に入って赤血球に取り付き、赤血球を壊したり、この病原体に取り付かれた赤血球が免疫システムによって壊されたりする病気です ヘモバルトネラ・フェリスは感染力が強くて広まりやすく、ノミなどの吸血性昆虫が媒介して猫に感染するとも言われるが、いまだに本当の原因は不明です。
    なお、ヘモバルトネラ症にかかる猫の50〜70%が、ネコ白血病ウイルスに感染していると言う報告がされています。ウイルス感染症による免疫力低下が、感染・発症引き金となっているのかもしれません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 次回は「猫の貧血」、治療と予防方法です。